マーケターに聞いてみよう!
Vol.12_大阪ガスマーケティング株式会社 小寺 弘剛さん

マーケターとして活躍されているみなさまに、ご自身の経歴やマーケティングに携わることになったきっかけ、お仕事をするうえで大切にしていることなどを語っていただく『インタビュー企画』。

第12回目は、関西のインフラを担う企業、大阪ガスマーケティングの小寺さんにお話を伺っていきます。


小寺 弘剛さん
大阪ガスマーケティング株式会社
リビング営業本部 CX推進部 WEBチーム


キャリアを考えたきっかけは、環境の変化で気付いた『関西でやっていきたい』気持ち。


ーまずはご自身のご経歴を教えてください。
大学卒業後は某コールセンターエージェンシーに就職して、8年間勤務しました。
オペレーターの育成や入電予測、ブース単価をあげるために色々な対策を考え実行し、手前味噌ですが結構成果をあげられていたのではないかと思っています。マーケティングというよりも、1チャネルとしてのコールセンター業務のオペレーションをいかに効率よく実行するか?を考えて回していくことが主な仕事でした。
日々頑張っておりましたが大学でもマーケティングの専攻でしたので、それを活かして異なる立ち位置・角度からマーケティングに関わる仕事をしたいと感じるようになりました。

その後web専業の広告代理店に転職し、約12年半勤務しました。
その時代に、お客さまとして大阪ガスさんを担当させて頂いていた時期もありました。
深くお仕事をさせて頂いていて、当時としては先進的な取り組みもご一緒させて頂き、振り返りますと「大変だった、でも楽しかった!」という記憶が一番先によみがえります。

2020年年4月に大阪ガス株式会社の基盤会社としてご家庭のお客さまに対するエネルギーや各種サービスの営業活動などを行う「大阪ガスマーケティング株式会社」が設立されました。それに伴い「webマーケティングプロデューサー職」の中途入社募集があり、嬉しいことにご担当の方から「小寺さんにぴったりだと思う!」とご連絡を頂きました。
僕自身もクライアント先として大阪ガスさんを担当させて頂く中で、『僕にもっとできることはないか』と考えていたこともあり、色々思案した結果、選考を受けさせて頂くことにしました。

実は、それ以前にもキャリアを今後どうしていくか?を考えたタイミングはありました。
WEB広告代理店では「今日は不動産、明日は化粧品、、、」と色々なクライアントマーケティング担当の方と会話や議論を重ねたり、実務も多岐多様で飽きないからあれだけ長く続けていけたのだ、と思います。一方で「浅く広い」状態でもあったので「深さ」が足りていないな、という悩みも同時にもっていました。方向性としてこのまま「事業支援側」で進むのか、道筋を変更して「事業会社側」あるいは「媒体社側」に進むべきなのか、ずっとずっと悩んでいました。東京に行くことも検討したり、英会話を勉強したりとか、結構準備もしていた時期がありました。
ただ、キャリアを考える岐路になったのが、ここ数年の環境の変化でした。
ニューノーマルな環境の中でリモートワークが一気に当たり前になって、東京の会社に就職しても大阪から仕事することもできるのではないかと思いました。これまで想像もしていなかった”どこからでも仕事できる”という場所の自由を意識した時、これまで関西と名古屋で仕事をしてきたこともあって、やはり関西でやっていきたいという気持ちが強くなりました。そんなタイミングで大阪ガスさんにお声がけ頂いたわけです。ですので、関西で自分の力を注げる場所を探していて、色々なタイミングが重なったという感じでしょうか。
そして、現職の大阪ガスマーケティングに入社して今に至ります。

約250社の流通チャネルを通してお客さまへ提案。"暮らし"の近くでミライ価値の創造を目指す。

ー続いて、御社のサービス/小寺さんが関わっているサービスについて教えてください。
当社が属するDaigasグループは、2023年までの中期経営計画で「持続可能な社会の実現に向け、社会課題の解決に資する価値を生み出す企業グループとして、”ステークホルダーと共にミライ価値を創造し、成長し続けていく”期間」と位置付けています。
ミライ価値の共創については、1.低・脱炭素社会の実現、2.Newノーマルに対応した暮らしとビジネスの実現、3.お客さまと社会のレジリエンス向上、の3つを掲げています。

私が所属している大阪ガスマーケティングは、ご家庭向けのガスや電気などのエネルギー、ガス機器やリフォーム等、暮らしに関わるサービスの提供を通してミライ価値の創造を目指しています。

その中で私は、お客さまに当社のサービスの提供価値や最新情報等をお届けするためのweb広告やプロモーション活動の企画や運用を担当しています。

ー御社のマーケティング活動における特徴はありますか?
これまでガス事業を通して培ってきた信頼をベースに、約250社にも及ぶ流通チャネルを通して、お客さま一人ひとりのニーズに合わせた提案を迅速に行うことができるのが特徴であり強みです。
低炭素社会に貢献できるエネファームの普及拡大や太陽光・蓄電池をはじめとした環境商材の拡大に加えて、私が担務している「デジタルチャネル」やデジタル技術を活用した取り組み等、時代の変化にあわせて新しい価値の開発と提供に努めています。

マーケティングの『本質』を見失わないように、お客さま視点で丁寧に伝えたい。

ーご自身がマーケティングに関わる上で、大切にしていることは何ですか?
まず「マーケターにきいてみよう!」というコーナーで取材を頂いているのに申し訳ないと思いますが(汗)、「自分自身まだマーケターにはなれていない」という自己認識をしています。

その上で大切にしていることは『本質を見失わないようにする』ということでしょうか。

今読んでいるあるマーケティングの本に綴られている内容を読んで、とても危機感を覚えました。
一例を挙げるとWEBマーケティングおいては
「(極端に言えば)広告クリエティブや商品について詳しく知らなくてもある程度の結果を出すことができてしまう」ということもあるという点です。確かにそれはそうだな、と。
そして昨今たくさんの「○○○マーケティング」といった言葉を見聞きします。一方でそれらは「テクニック」「手法」に寄りすぎてしまっている気もしています。

しかし本来のマーケティングとは
「お客さまや商品・サービスにしっかりと向き合うこと」がまず姿勢として大切
であると思いますし、自分が担務している領域では商品の良さやサービスのポイントをわかりやすく伝えていくことが大切なのでそれは常に胸において、様々な施策を講じていきたいと考えています。「百術も一誠に如かず」です。

二つ目に、『お客さまに接していることを忘れない』ということです。

どうしても日々のマーケティング活動の中でWEBに従事しておりますとお客さまの顔や声から遠くなるといいますか、良い意味でも悪い意味でも、数字やデータで終始してしまいそうになります。でも、僕たちはお客さまに情報を届けるために毎日色々な模索をしています。本来は、そのお客さまとの接点について一番考えないといけないと思っています。
実は先日、NewsTVの撮影に同席してものすごく良い経験をさせてもらったなと感じることがありました。その撮影では街頭インタビューをして、お客さまの本音を聞き出していくんですが、ここまで本音の生の声を、こんなに近くで聞けることはめったにないんですよ。「キャンペーンめっちゃ安いですね」とか「他社さんのサービスの方が良さそう」といったお客さまの声は、僕の毎日の業務の中ではなかなか触れられないので大変刺激になりました。

三つ目は『丁寧に伝えていく』ということです。

例えば、当社では先日NewsTVのビデオリリースを実施しました。完成した動画を見てやっぱり動画だと「わかりやすい」と感じました。静止画に比べると伝えられる情報量が多いですし、動画なら見て頂くストレスが軽減できると感じています。
見て頂く方にとって、良いものを選定して、ちゃんと伝えていく。この原理を徹底していきたいとも考えています。
NewsTVの話をしますと、NewsTVは動画制作費がかからないのに「まるで夕方の報道番組の一幕のようなクオリティー」で制作して頂けることが魅力ですね。
確かにテレビCMに比べたら質は異なりますが、YouTubeやSNSの拡大で手作り感のある動画が市民権を得てきた部分もあると思いますし、クオリティーと費用はどうしても正比例しますので資源をどう配分するか?はいつも悩みどころであります。
NewsTVはその点で活用しやすいとてもいいサービスだと思います。制作過程においてこちらの意向や試してみたい事も汲み取ってもらい柔軟に対応頂きましたし、広告の配信対象の媒体がどんどん増えてきたこともポイントが高いですね。SNSはもちろんですが、TVerやスマートニュース等新しい媒体にも配信できるので助かっています。

伝える内容とその目的によって、必要なものを選定して、丁寧にちゃんと伝えていく。
このポイントは常に念頭において守っていきたい
ところですね。

ーご自身が目指すマーケティングの姿について教えてください。
最近では特にお客さまにうまく情報を届けるための”基盤・体制づくり”もしっかり担務できるようになりたいと考えています。
どれだけ素晴らしい作戦でも「実行部隊」が弱ければいい結果には繋がりにくいからです。

例えばその一つは、今僕がいる事業会社と、広告代理店のみなさまや媒体社のみなさまとでいわゆる「一枚岩」の関係になることだと思っています。
広告施策の提案やクリエイティブの修正などの場面において「当社はこういう考え方だ」というように考え方や方針をしっかりと共有できていると、やりとりがスムーズになり広告のPDCAも早くなると考えています。
もちろん、都度連絡をもらって相談して頂く事も大事ですが、よりスムーズにスピーディーに進行するために「こういうモーメントを捉えたので、ここをこのように修正しておきました」というフローが加わってくる事が理想的であると考えています。「言うは易し」で一朝一夕では難しく道は険しいですが本質を共有して想いを一つにできている状態を目指していきます。
なので、僕は広告代理店さんやその先の媒体社さんにもすごくたくさん求めます。自分自身が広告代理店にいた経験があるから余計に思うのかもしれませんが、本気で向かってきて欲しいというのも本音ではあったりしますね(笑)。
いずれにしても一つの目的に向かっている人たちが、どの会社に所属していようが”一枚岩”になることを大事にしています。

もう一つ目指しているのは、社内での他部署の方々との関係性を深めていくということです。僕は中途入社して丸2年程になりますが、やはり歴史のある会社ということもあり、たった2年くらいで事業とか社内が分かるほど構造も単純ではないので日々勉強の毎日です。
特にここ2年は在宅勤務が多かった影響もあり、リアルで会えない期間も長く、最近になってようやく他部署の方とリアルでの接点を持つことができるようになってきました。
直接会うことで、業務以外の雑談もでき、他の部署の方の想いや人間関係など、前よりもたくさんの情報収集ができていると感じています。

そういったコミュニケーションをしていくことで、部署ごとで知らず知らずにできてしまっていた壁のようなものを壊していくこともできるのではないか?とも考えています。

例えば僕が入社した時点と今現在では「マスメディアを担務しているチーム」と「WEBチーム」の会話量や連携数は各段に増加しました。これまでも連携はしていたのですが、さらに定期的に情報交換の場を設けるなどして、お互いがどういうことをやっているのか、どういう目標を持ってどんな結果になっているのかを相互で共有することで、大変勉強になりますしWEB側として次は何をなすべきか?というアクションもイメージしやすくなりました。最終的にはお客さまに向けての情報発信ですので、目的を共有して、例えその方法が「テレビCM」であっても「WEB広告」であっても、最適なものを選んでいく必要があると考えています。
次に取材いただくときは胸を張って「マーケターです」と言えるよう自己研鑽を続けていきたいと思います。

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