マーケターに聞いてみよう!
Vol.11_スマートシェア株式会社 吉岡 真宏さん

マーケターとして活躍されているみなさまに、ご自身の経歴やマーケティングに携わることになったきっかけ、お仕事をするうえで大切にしていることなどを語っていただく『インタビュー企画』。

第11回目は、SNSマーケティングを支援する企業、スマートシェア株式会社の吉岡さんにお話を伺っていきます。


吉岡 真宏さん
スマートシェア株式会社
OWNLY事業本部/Marketing & Sales / Insight Suite Team Manager

大学卒業後、株式会社ワイズに新卒で入社。 OA機器の営業職で日々数字を追いかけ、テレアポや飛び込み営業など新規顧客獲得に従事。 その後、シルバーエッグ・テクノロジー株式会社にJoinし、 大手ECサイトや大手メディアサイトに対してレコメンドエンジンの提案営業に従事。シーセンス株式会社を経て2017年9月より、popIn株式会社に転職。 媒体社様に対してレコメンドウィジェットの導入提案から、導入後の改善サポートまでを担当。 2018年12月からDiscovery事業と兼任でファッションECサイト向けサービスの立ち上げに参画。 2019年9月にEコマースソリューション事業部を立ち上げ、部長に就任。 画像認識AIサービス「popIn Action」の事業責任者として、セールスから導入後のフォロー、パートナー企業とのアライアンス構築、イベントへの登壇、などに従事。並行して、照明一体型3in1プロジェクター「popIn Aladdin」 のマーケティング領域を兼務で担当。その後AIQ株式会社を経て、現職のスマートシェア株式会社に転職。マーケティング・セールス・プロジェクトマネジメントを兼任しながら、各組織のマネジメントも行い、事業の牽引に尽力。


出会いが繋いでくれたキャリア。新しいチャレンジを重ねた経験値から得た、"馴染める"スキルで成果を挙げる

ーまずはご自身のご経歴を教えてください。

新卒ではOA機器の販売会社に入社し、営業職を4年やっていました。いわゆる飛び込み営業だったのですが、この頃の営業で培ったものが今の自分のスキルの土台になっているなと感じています。営業以外の職種でも、社内外の方々とコミュニケーションをとりながら進行していく能力は必須です。そのコミュニケーション能力を高められたのは貴重な時間であり、貴重な経験だったと感じています。

次の職場からweb業界のキャリアに切り替わっています。

レコメンドエンジンの支援会社やDMPを扱う外資の会社、その後インターネット事業を運営するpopIn株式会社に入社しました。popInでは媒体社向けのセールスから始まり、EC向けの画像検索システムを自社開発して、その事業立ち上げからビジネスサイド全般を管掌したり、popIn Aladdinという照明一体型3in1プロジェクターの事業にも携わりました。popIn Aladdinに関しては、自社のECサイトの構築から販売戦略、SNSの活用まで、初めて事業側の立場でマーケティングに関われたのはとても良い経験になっています。

その後、前職のインターネットサービス支援の会社を経て、現在のスマートシェア株式会社に入社しました。

僕は、転職回数を重ねている方だと思っているのですが、じっくり考えて転職しているというよりも、その都度そのタイミングで良い出会いがあって転職をしています。共通しているのは、『自分がこれまでに積み上げてきた力を活かせる』こと、『新しいチャレンジができる』ことでしょうか。

スマートシェアでは、「やることは自分で決めていいよ」という柔軟な姿勢で入社できたことは、とても大きなポイントでした。

現在はマーケティングからセールス、プロジェクトマネジメントを兼任しており、自分で必要だと思った業務には口を出したりしていますが、そういった部分もウェルカムな雰囲気があるのは、スマートシェアのポジティブな面だと思います。兼任している分、都度頭の切り替えが必要なシーンもありますが、敢えてそういう環境を作って自分の能力を高められる働き方をしています。

また、転職を重ねているからか、会社の雰囲気に馴染むのが早いようです。入社直後から「もう既に3年前からいるような雰囲気が出ている」と言われることがよくあります(笑)

手前味噌ですが、これまでいた会社で、職種は異なっても成果を出せていたのは、そういった早く馴染めるスキルも影響しているのかもしれません。

OWNLYを軸に、スピーディーに。幅広く見るからわかる、本来やるべきマーケティング施策

ー続いて、御社のサービス/吉岡さんが関わっているサービスについて教えてください。

スマートシェアのメインサービスは「OWNLY(オウンリー)」というSNSを活用したwebマーケティングを一元管理できるサブスクリプション型のマーケティングプラットフォームです。このサービスに関連する領域で、売上の大半を計上しています。

このOWNLYを軸にして、そこから派生した新しいサービスも次々に立ち上げています。

先日リリースしたTikTokの運用代行サービスや、Instagramの運用代行など、僕が入社して以降だけでも3つほどの新しいサービスが始まっています。

各々の部署で新しいサービスのアイデアを常に探し、それがビジネスに良い影響があると判断ができればすぐに動き出します。都度サービス毎のLPを最速で作り、メルマガで告知して、プレスリリースも活用しています。こうしてまずは費用をかけずに情報発信をしてみて、お客様の反応をチェックし、より反応があったサービス、つまり市場的にインパクトがあるサービスに予算を集中的に投下し、プロモーションをしています。

たくさんのサービスがあるので、現在は週に1回のマーケティングMTGの中でその反応や今後の戦略、会社としての方針整理も含めてチューニングを重ねています。

ー御社のマーケティング活動における特徴はありますか?

1点目は、スピーディーに各施策をトライしている点だと思います。

先ほどお話ししたように、スマートシェアではかなりスピーディーに次々と新しいサービスが立ち上がっています。

それぞれの状況を確認しながら、細かいジャッジを繰り返して、施策や予算を効率化していく。そのためにはスピード感がとても重要です。

もちろん施策が結果に繋がらないこともありますが、「うまくいかないことがわかった」と前向きに判断して、すぐに別施策に切り替えています。こういった前向きな失敗を歓迎する姿勢、そして何よりも立ち止まることなく動き続けることを重視する社風が、施策のスピーディーさを後押ししているのかもしれません。

2点目は、マーケティングとしての幅の広さです。

現在僕は3つの業務を兼任していますが、兼任しているからこそ見えてくるものがとても重要だと感じています。

部署としての仕切りがあると、どうしても自分の領域のみにフォーカスした考え方になりやすいですよね。例えば、マーケティング担当であれば、リード獲得数、そこからの案件化率、商談設定数などがあると思います。

一方で、営業部署を見てみると、受注件数、売上額、利益率、お客様満足度や継続率が大切だったりします。そう考えた時に、”マーケティング部”としての目標と”営業部”としての目標の乖離を解消し、より全社にとって良い進め方や施策を共創していく必要があります。

複数部署の業務を兼任することで、それぞれの部署の課題をダイレクトに感じることができ、会社全体の目標や施策の共通化を考えることができるようになりました。

実務面を含めた、本当の意味での担当外の業務を知り、感じることこそが本来あるべきマーケティング施策の実行に繋げられると強く感じています。

もちろん、今後はマーケティング部やスマートシェア全体の規模も変わっていくでしょうし、そのタイミング毎にベストな方法は変遷していくと思います。

マーケティングを息子が憧れてくれるような職業にしたい。
だから『SNSで困ったらスマートシェア』を目指して発信し続ける。

ーご自身がマーケティングに関わる上で、大切にしていることは何ですか?

サービスの領域における”第一想起”を取りにいくことです。

これまで関わってきた会社はそれぞれとても大好きですし、スマートシェアのサービスもめちゃくちゃ良いものだと感じています。だからこそ、たくさんの方に知って欲しいですし、良いサービスだなと感じていただきたい。そのためには、SNSマーケティングに関するお困りごとがあったときに、最初にスマートシェアを思い出していただけるよう”第一想起”の会社にならなくてはいけないと考えています。

実はスマートシェアでは、年間5,000件以上のSNSキャンペーンをご支援しています。そのキャンペーンには、国内で3,000万人以上の方が参加してくれていて、これはつまり、日本人の4人に1人ほどが、OWNLYを通して実施したキャンペーンに参加してくれていることになります。

こう考えると、とても大きな規模感ですし、みなさんにも身近に感じてもらえるものだと思います。

数字的根拠をもとに、最高のアセットを持っているのに、それを自社のマーケティングに活かしきれていない。

こういった情報をもっと活用してみなさんに知っていただくことで「SNSで困ったら、まずはスマートシェアに相談する」というSNS領域での第一想起を取りにいきたいと思っています。

具体的には、不足していた情報発信を強化する事に重点を置いて、オウンドメディアのテコ入れを進めています。まだまだみなさんにお伝えできていない情報やデータがたくさんあって、必要な時にすぐ情報に触れていただけるように、コンテンツとしても充実したものにしていきたいと考えています。まさに今年の夏から本格的に取り組む計画になっているので、スマートシェアの新生オウンドメディア、ぜひ楽しみにしていてください。

ーご自身が目指すマーケティングの姿について教えてください。

マーケティングの本質の姿をしっかりと発信した上で、それでもマーケターになりたいという方を増やしていけるようになりたいです。

“マーケティング”というと、なぜかキラキラしたイメージがありますよね。でも、実態は泥臭い作業や地道な業務もたくさんあります。このイメージと実態のギャップをちゃんと解消していきたいです。

僕には1歳半になる息子がいるのですが、今の時点だと父親がどんな仕事をしているかは分かっていません。息子が成長して父親の仕事に興味を持った時に、憧れてくれるような職業にしていきたいと思っています。

そのためには、マーケターとして会社に還元する結果を出していくのはもちろん、他のマーケターの方々も巻き込んで情報発信していきたいなと考えています。

まだ構想段階ではありますが、マーケターのコミュニティや勉強会を通じて、今のマーケティングの現場の声を発信できたらなと思います。これまではなかなか発信できていなかったのですが、やはりこちらから発信していかないと誰にも届かないですよね。

会社の第一想起を作ることも大前提にしながら、僕自身もマーケターの第一想起になれると良いなと考えています(笑)

たくさんチャレンジして得意を伸ばす!
その軸を増やせば、自分の価値があがってチームも強くなる

ー読者のみなさまへ一言

お伝えしたいメッセージが2つあります。

まず1つ目は、「苦手なことはやりすぎず、得意に特化して徹底的に伸ばす」ということです。

僕自身とても意識してきたことでもあります。

得意なのか苦手なのかを見極めるために、まずは色々チャレンジすること。これは大前提です。

でも、苦手だと気づいたことには、無理に時間を使わずに得意を伸ばすことに時間を使うべきだと考えています。時間は有限ですし、みんなが得意を発揮するからこそチームや組織としての強みが出ると思います。

ある程度は頑張る必要もありますが、自分の得意を伸ばしていくことで自己を確立していくことは大切だと思います。

2つ目は、「得意な軸を増やして、掛け合わせていく」という事です。

得意な軸を見つけたら、それを少しずつ横展開して、新たな得意を発掘していきます。そして得意な軸をどんどん増やしていく。例えば、今の僕は「マーケティング×セールス×プロジェクトマネジメント」の3軸を持っています。

この軸が増えれば増えるほど、より広い視野でいられますし、単一視野では見えなかったものがどんどん見えていきます。これにより、今の業務に対する想いも強まりますし、課題解決のために打てる手段も増えていきます。

そして何よりマーケターとして、またはイチ社会人として自身の市場価値をあげていくことに繋がります。

どんどんチャレンジして、得意な軸を掛け合わせていく。その延長線上には、更に新しい未来が待っていると思います。

ちなみに、僕は自分自身のことをマーケターだとは全く思っておりません(笑)。


ー取材後記

今回はSNSマーケティングを支援する企業、スマートシェアの吉岡さんにインタビューさせて頂きました。

圧倒的なリーダーシップとパワーをお持ちの吉岡さん。その脅威のスキルは、様々なご経験の掛け算から生み出されていました。日常的にも「マーケティング」業務だけに閉じることなく、「営業」やその他の部署とも積極的に関わることで、組織間のやりとりがスムーズになるようスピーディーな改善を重ねています。

そしてこのスピードの源泉になっているのも、「得意に特化している」からなのかもしれません。チームメンバーそれぞれが得意を見つけて特化することで、よりクオリティ高くより早く過程を進めていくことができるのでしょう。チーム・組織の力を最大に高めるための「得意の掛け算」、ぜひ真似してみてはいかがでしょうか?

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